君がいたから
「ここです。」
美香の母親が案内した場所それは なんとお墓だった。
「美香は今から5年前に亡くなりました。ここに眠っています。」
美香の母親は真剣な顔をして祐希に言った。
「そんなバカな!」
祐希はもちろん信じられるはずはない。
「だって美香は最近まで俺と付き合ってたんですよ!そんなバカな話信じられませんよ。」
祐希は大きな声で怒鳴りあげた。しかし、美香の母親は冷静に話した。
「私だって信じたくありません。しかし、これは事実なんです。」
「だったら今まで付き合ってた美香はいったいなんだったんですか!」

祐希はかなりイライラして美香の母親を怒鳴り散らした。しかし、祐希の言ったことをなぜか嘘だとは思わなかった。
「美香は本当に気のきく優しい子でした。だから、きっとあなたに何か伝えたいことがあったのではないでしょうか?私はきっとそうだと思います。」
美香の母親は少し肩を落としながらも祐希に一生懸命話していたようだった。そんな美香の母親の態度に祐希は何も言い返せなかった。
「ありがとうございました。美香に会いにきてくれて。」
美香の母親は最後にそう一言だけ言ってその場を後にした。祐希は動揺しながらも終始無言のまま帰路についたのだった。
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