君がいたから
「ここでなにしてるんだよ！」
祐希は驚きの表情をしてかおりに尋ねた。
「別に驚くことないじゃん！私、ここのケーキ好きなの忘れたの？まあ、座りなよ。」
とりあえず、かおりの向かいの席に座った。祐希はふと、昔の記憶がよみがえる。
「そういえば、そうだったな。昔、お前とよくここに来てたんだったな。」
「そうじゃん！やっと思い出したの！」
「うん…まあな。」
楽しく話している二人。なぜか、二人の間には以前のような壁がなかった。そんな中、かおりが祐希に言った。
「ところでさ～なんで一人なの？彼女は？」
「えっ!?」
かおりの質問にとまどいを隠せない祐希だったが真実を言うことはやはりできない。
「美香とは…別れた。あいつ自分の夢を追いかけるために外国に旅立ったんだ。」
とっさに思い付いた嘘を言った。
「そっか…いい人だったのにね。夢を追いかけるためなら応援してあげなきゃね！」
「そうだな…。」
祐希は少し肩を落として返事をした。そんな祐希にかおりはまた声をかけた。
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