君がいたから
「私、美香さんにも祐希にもひどいこと言っちゃったよね…。実は二人に謝りたくてBLUE MOONに毎週来てたんだ。ここは祐希との思い出の場所でしょ?だから、きっと会えると思ってた。」
その話を聞いて、肩を落としていた祐希は驚きの表情に変わった。
「えっ!?そうなのか?でも、あの時のかおり目がマジだったぞ!」
そう言われて今度はかおりが肩を落とす。
「うん…あの時は本当にサイテーだったよね。私、祐希が仕事をクビになってもう一緒にいたらダメだなって思って祐希と別れたの。で、前に友達に紹介してもらった たけしと付き合うことにしたんだ。でも、付き合っててもずっと気持ちは寂しいままだった。あの時は本当はあなたに会えて嬉しかったはずだったのになぜか素直になれなかった。」
かおりは今にも泣き出しそうな顔をしている。
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