若の瞳が桜に染まる
「失礼しまーす!
変態、間違えました我久さん、布団敷きましたよー」

突然部屋に響いた大きな声。

「…旬……」

せっかくの良い雰囲気に邪魔が入り、がっくりと縁側から滑り落ちた。

「我久と呼ぼうとして、変態とは間違えないだろ!」

旬のことだから今の一部始終を聞いていたに違いない。どこからだ!

寝室へと続く襖の前に立つ旬のもとへと立ち上がった。
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