若の瞳が桜に染まる
「今日新入社員が来たんですよね?使えそうですか?」

毎年新しく入ってくる社員については、細かく調べ尽くされている。今年も三人のことを抜かりなく調べたに違いないのだろうが、旬としては我久と関わる人物が気になるのだった。

「んー、まだわかんないけど、皆良い人そうだったよ」

「女性も来るって言ってましたよね?」

「あぁ。二人ね」

我久の頭にちらついたのはもちろん日和の姿。

「それはお気の毒に。女性に耐性の無い我久さんにとっては、さぞ居心地の悪い職場となってしまうのでしょうね」

声が震えている。
旬が笑いを堪えて言っているのが我久にもわかった。
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