若の瞳が桜に染まる

ますますわからなくなってきた。これが、日和の隠していることと何か関係があるのか？

「えぇ。別れ際にその人のことを旬兄って呼んでましたから」

「…。

…なるほど」

旬かよ！

活性化されていた思考回路がプツリと切れた。

「そんなにほっとしないでくださいよ。妬けちゃうなー」

実際には、ほっとしたと言うよりも脱力していた。どうして旬が日和を送ったのかという疑問は残るから、どうでも良いとまでは言わないが、それに近い感想だ。