若の瞳が桜に染まる
「だけど天祢さん。最近ヒヨリンと正隆が良いかんじに見えません?
よく二人で植物の話で盛り上がってるみたいだし。きっと二人とも意識してるんじゃないですかね。

まさか付き合ってるとか?だとしたらお似合いだと思いません?

今日の飲み会でも、二人のこと見守ってあげましょうね」

楠井と?

まさかと思ったが、言われてみれば思い当たる節がいくつもあった。たしかに二人でいるところを最近よく目にする。同期だから話すこともあるだろうと思ってたけど……。

今日の飲み会も、楠井に誘われたから行くのかもしれない。

不安だ…。

「あ、あぁ…。見守るよ…」

とりあえず力なく返事をした。とにかく感情の動きが目まぐるしい我久だった。
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