若の瞳が桜に染まる
「どうしたの?」

ひょっこり間に入った日和によって、いっきに和んだ空気に変えられる。さすがに二人とも日和の目の前で我久の奪い合いはできなかった。

その様子を離れた所から見ていた男性陣は、どうなることかとハラハラしていた。

会話の内容までは聞こえないものの、言い争っているのはよくわかった。

「うわー。蘭にあんなふうに立ち向かう女の人初めて見た。怖ぇ…」

「どっちも気が強いんですね…」

「怒らせないようにしないとな…」

その光景を目に、三者三様に臆していた。
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