若の瞳が桜に染まる
「最近の若者は、危ない組織を前にしても恐れないんですかね。
なーんか、自信失くしちゃつなー」

旬が二人の背中を見送りながら呟いた。

「旬が若者を語るのか?
年齢変わらないだろ」

「そうですけど。

嬉しそうですね。
お嬢に好きだと言われたからですか?それとも、後輩が正体を知っても態度を変えずに接してくれたからですか?」

「…どっちもかな」

「水を差すようですが、茶島会のことも警察のこともお忘れなきよう。

我久さんが気を緩めた時って、いっつも良くないことが起こりますからねー。

会社に可愛い子が入ったって気を緩めた途端に、俺らは組長からお嬢を拐えと命令されましたからね」

我久にとっては耳が痛い言葉だった。
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