若の瞳が桜に染まる
ゲッカビジンと祝福
朝からオフィスでは街で起こった出来事についての話題でもちきりだった。

「茶島会が古森組の事務所に銃撃ち込んだんでしょ?
物騒だよね」

「ニュースでやってましたね。
茶島会ってのがヤバイらしくて、手段を選ばないって言ってました」

「こっわー。普通に暮らしてても巻き込まれるかもしれないんでしょ?
勝手すぎ。安心して街も歩けない」

と、女性社員が口々に茶島会への恐怖と悪評をもらしていた。

どうやら茶島会は、天祢組だけでなく他にもいくつもの組織へ喧嘩を仕掛けていた。

会長である茶島泰蔵は、頭のイカれた奴だと裏社会でも噂されていたが、たしかに全ての組織を敵に回すようなこんなやり方は、イカれてないとできないのかもしれない。
< 203 / 306 >

この作品をシェア

pagetop