若の瞳が桜に染まる
荷物を置いた我久は、意を決して声をかけた。
「…日和」
呼ばれた日和はぴくりと肩を震わせたが、振り向くことはなかった。
「あのさ…」
「あ、私…。
旬兄に話があるから…、また後で…」
そそくさと立ち上がった日和は、足早に部屋を出ようと襖に手をかけた。
だが、こうなることは我久も予想はしていた。
だから、日和の背中越しに手を伸ばして襖を押さえた。
触れることを拒否された我久の、せめてもの抵抗だった。
「それ、今すぐじゃないと駄目?
…俺は今、日和と話がしたい。」
上手い引き止め方も駆け引きもわからない我久は、思ったことをそのまま言葉にして伝えた。
「…日和」
呼ばれた日和はぴくりと肩を震わせたが、振り向くことはなかった。
「あのさ…」
「あ、私…。
旬兄に話があるから…、また後で…」
そそくさと立ち上がった日和は、足早に部屋を出ようと襖に手をかけた。
だが、こうなることは我久も予想はしていた。
だから、日和の背中越しに手を伸ばして襖を押さえた。
触れることを拒否された我久の、せめてもの抵抗だった。
「それ、今すぐじゃないと駄目?
…俺は今、日和と話がしたい。」
上手い引き止め方も駆け引きもわからない我久は、思ったことをそのまま言葉にして伝えた。