若の瞳が桜に染まる
「今までのことは忘れて、ここで新しい生活をスタートさせよう。
俺を旦那さんだと思ってくれていいよ」

「…何、言ってるの…?」

「ま、詳しい説明は後にするよ。
今はゆっくり休んでて。

くれぐれも逃げようなんて考えないでね。そしたら地下に監禁しなきゃいけなくなる。

それはさすがに俺も良心が痛むからさ」

もはや、日和の知っている楠井ではなかった。ここがどこなのか、我久たちは無事なのか…。
不安や心配ばかりで、休めるはずもなかった。
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