若の瞳が桜に染まる
そんななか、女性社員が入社すると噂に聞いていた我久は、深呼吸をして迎え入れる心の準備を整えていた。

印象は最初が肝心。
とっつきにくそうとか、冷たそうなどと初日から思われたくなかった我久は、取り敢えず笑顔を浮かべて待つことにした。

少しすると、足音が聞こえてきた。社長に案内されてオフィスに入ってきた今年の新入社員は男性一人女性二人の計三人。

三人とも何かしらの希望を持って入社したようでキラキラしている。そんな彼らを拍手で迎える。
しかし、先輩となる社員は、さして有名でもないこの会社に勤めようなんて物好きが三人もいたとは、と内心では一様に不思議がっていた。
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