若の瞳が桜に染まる
「珍しい花も育ててるんでしょ?オフィスで皆話してた。花が好きなの?」

「…ずっと植物に囲まれて育ってきたの。
花とか木とかがあるのが、当たり前っていうのかな。
ここで働くって決めたのも、植物の仕事させてくれるって言うわれたからで…」

「そうなんだ。
植物が友達ってかんじ?」

「うん。
植物があれば、他には何もいらない」

純粋な瞳で花壇に植えられた花を見ながらそんな返答をする日和。

しまった…。
ついとはいえ植物が友達かなんて、最低な質問をしてしまったと我久は激しく後悔していた。

それでいて植物があれば他には何もいらないと言われ、勝手に大きなダメージを受けていた。
< 31 / 306 >

この作品をシェア

pagetop