若の瞳が桜に染まる
ワスレナグサと不穏
オフィスを出ようとした我久は、吉田に声をかけられた。
「どこ行くんだ?」
「ちょっと…休憩に…」
「また屋上か?
いい加減にしないと柊にうざがられるぞ」
吉田がそう言うのも無理はない。初めて日和に会いに屋上に行ってからというもの、毎日のように時間が空けば屋上に足を運ぶようになっていた。
会ったからといって何を話す訳でもなく、ただ花の世話をする日和を眺めているだけということもあるのだが…。
「そんな風に思う人じゃないですよ!
行ってきます」
話せなくても、そこにいるだけで嬉しくなってしまう我久は、しぶとく通っていた。
「どこ行くんだ?」
「ちょっと…休憩に…」
「また屋上か?
いい加減にしないと柊にうざがられるぞ」
吉田がそう言うのも無理はない。初めて日和に会いに屋上に行ってからというもの、毎日のように時間が空けば屋上に足を運ぶようになっていた。
会ったからといって何を話す訳でもなく、ただ花の世話をする日和を眺めているだけということもあるのだが…。
「そんな風に思う人じゃないですよ!
行ってきます」
話せなくても、そこにいるだけで嬉しくなってしまう我久は、しぶとく通っていた。