若の瞳が桜に染まる
なんて考えていたが、袋を抱えたあたりから、なぜか日和の視線を絶えず感じていることに、いよいよ耐えられなくなってきた。何か変なことでもしてしまったかと不安がよぎる。

「あの…、どうかした…?」

「…柊って…好きじゃないの。だから日和って呼んで。皆もそう呼んでるから」

「…え?」

下の名前で呼んでもいいの?
ってか皆って誰だ?会社の人は全員名字で呼んでたはずだけど…。

そう思ったが、日和はすでに歩き始めていた。
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