若の瞳が桜に染まる
「おま、ガチじゃねーか!

あの子もめっちゃ可愛いよな!今年の新入社員はレベル高くて何よりだ!去年はお前しか入ってこなかったからなー。

まぁでも…、あの雰囲気の子だと配属されんのはスカイリーの方だろうな。俺らは関われねーよ」

「…ですね」

そんな現実を突きつけられ、我久はがっくりと肩を落とす。

吉田の言う通り、ここは狭いオフィスでありながらも配属先の雑誌が違うとあまり関わる機会もない。しかも、女性と関わることに慣れていない我久にとって、日和と一言交わすというのはかなり難易度の高いこと。

挨拶からして日和も内気な女性なようで、我久が彼女と関わりをもつことなど絶望的だった。
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