若の瞳が桜に染まる
我久と日和の結婚を知っているのは、天祢組のなかでも上層部の人間と、旬と蘭の二人。
職場には今まで通りの関係で突き通すことになった。

もしも二人の関係がバレたら、そこから天祢組へと繋がってしまう危険性があるからだ。

ということで、出勤は別々に行うことにした。もともと取材に行ってからオフィスへ向かうことも多い我久な為、出勤時間が遅くても何ら不自然に思われることはなかった。

そんな日々が続いたある日。

その日も遅めに出勤した我久。得た取材内容をチェックしていると、ふわりと視界の端を桜色が過ぎ去った。
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