若の瞳が桜に染まる

大した量の荷物は無いということで、我久は旬と蘭を連れて行くつもりなのだが、最近の二人の様子を思い起こすと、それはそれで不安であった。特に蘭は明らかに結婚に反対しているのだから。

「旬と蘭のことなんだけど…、二人とも気性が荒い所があるんだ。日和に対しても色々言ってくるかもしれないけど、その時は怒っていいからね」

「二人とも我久が選んだ人でしょ？
大丈夫だよ」

目を見つめて言われたその言葉が、我久にとっては嬉しかった。

実際のところ、三人が上手く関係を築いて欲しいというなが本音だ。いつだって日和の味方でありたい。しかしそのせいで、旬や蘭から見放されるのも嫌だった。