私とあの子
「...ないから」
それだけを放って再び手を動かした
でも、手は震えていた
「そっか...じゃあ、いつでも言ってね!」
そして、病室から出て行った
未だに震える手、身体中には冷や汗があって、自分でも動揺していたのはわかった
寝る前、さっき会った彼女の言葉を思い出した
「出来損ないのただの人形...」
ふと口に出た言葉
頭の中にぐるぐる回って、ギュッと小さなクマの人形を抱きしめた
「お母さん...」
私はただの人形...?