クジ引き
その時だった。


画面は暗闇に包まれた。


「え？」


一瞬スマホがバグを起こしたのかと思ったが、それは違った。


暗闇の中になにか画像が見える。


それはよく目を凝らさなければ見えないほどのものだったが……グッと顔を近づけて確認した時、画面の中にあたしがいる事に気が付いたのだ。


画面の中のあたしは手を後ろで拘束され椅子に座らされている。


「なによこれ……」


スマホを持つ手が小刻みに震え始める。


それはなにかの写真にあたしの顔を合成したものだとすぐに理解できた。


こんなの悪趣味ないたずらだ。


そう思い込もうとしたけれど……画像の下に表示されている文字が、思い込みを阻止させた。


『できなければ、次はお前の番になる』


赤文字で書かれた恐ろしい文章に全身に寒気が走った。


すぐに画面を消してスマホを投げ出す。


心臓はバクバクと打ち始めて呼吸が乱れるのがわかった。


『次はお前の番になる』


その文字が脳裏に焼き付いて離れない。
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