クジ引き
「なにからなにまで、悪いな」


「ううん」


あたしは脱衣所のドアを閉めて、ふぅと息を吐き出した。


そしてすぐリビングへ向かい、スマホを手に取る。


もう一度さっきのサイトへ飛んでみるけれど、そこに表示されている画像と文字に変化はなかった。


「なんなのよ……!!」


イライラしながら自室へと向かい、ハテナマークの書かれているくじを引き出しから取り出した。


珍しいと思って保管しておいたのだ。


QRコードを読み取り、サイトに飛ぶ。


しかし、やはり同じ画面が表示されるだけだった。


朝日をバラバラにしなければ、今度はあたしが朝日のようになってしまう?


そんな事あるわけがない。


頭ではそう思っていても自分の顔を知られているという恐怖があたしを支配していた。


朝日自身は狂暴でもなさそうだし、一緒にいても安全かもしれない。


だけど見知らぬ男をずっと家に置いておくわけにはいかない。


少なくても、両親が旅行から戻って来る前にどうにかしておかないと、大問題になりそうだ。


あたしはくじ引きを行っていたショッピングモールのサイトにアクセスした。


そこにはイベント情報や交通機関と言ったごく普通の事しか書かれていない。


ためしに登録画面を表示してみて、あたしは目を見開いた。
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