クジ引き
「あぁ。ありがとう」


さっきよりも少し口数が増えて来た気がして、ホッとする。


色々とあったおかげであたしも一気に疲れが出てきてしまった。


お腹は一杯だし、眠気が襲ってくる。


だけど朝日がいる前で寝るワケにもいかない。


「とりあえず、明日また話を聞かせてくれる？　今日はちょっと疲れちゃった」


あたしはそう言いながら朝日を二階の客室へと案内した。


「とりあえずこの部屋を使って？　何かあったら起こしてくれればいいから」


あたしはそう言い自分の部屋のドアを開けた。


すると朝日があたしに付いてくるのだ。


「な、なに？」


「一緒にいよう」


その言葉にあたしの眠気は一気に吹き飛んだ。


一緒にいよう？


なにそれ、どういう意味！？


きっと深い意味なんてないんだろうけど、ドキドキしてしまう。


「あ、あたし少し寝たいんだけど……」


「俺は君に何もしない」


朝日は真っ直ぐにあたしを見てそう言った。


しかしその表情はやはりどこか怯えているように見えて、あたしは「いいよ」と、返事をしてしまったのだった。
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