クジ引き
何かあったらすぐ連絡を。


それは嬉しい言葉だったけれど、吉田のおばちゃんを巻き込む事も出来ない。


「彩花!」


玄関を開けて入ると、すぐに朝日が駆け寄ってきた。


あたしは慌てて玄関の鍵をかけた。


「朝日、ただいま」


「さっき何度も家のチャイムが鳴ったんだ」


「大丈夫だよ、知り合いの人がスイカを分けに来てくれただけだから」


あたしはそう言い、重たいスイカを朝日に手渡した。


「うわ、重たい」


「でしょ。2人でも食べきれないね」


そう言いながらキッチンへと向かう。


朝日は冷凍食品のお好み焼きを食べたようで、ゴミ箱に袋が捨ててある。


ちゃんと自分で食べたんだ。


そう思ってホッとする。


朝日はあたしの指示がないと動けないのかと思っていた。


2人でキッチンに立ってスイカを切って、リビングでテレビを見ながらかぶりついた。
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