クジ引き
あたしが助かるためには、すぐにでも行動に起こす事。


朝日は殺される覚悟があるし、あたしから逃げる事もない。


後はあたしが決断するだけだ。


「できない。できるわけないじゃん」


あたしは震える声でそう言っていた。


無意識の内に、朝日の体をきつく抱きしめる。


「彩花?」


「あたし朝日が好きなんだもん!! できるわけないでしょ!!」


今度は怒鳴るように、まるで駄々っ子のように泣きながらそう言った。


あたしは朝日を殺せない……。


あたしは朝日の胸に顔をうずめてしゃくり上げて泣いたのだった。
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