クジ引き
「文哉……なんでこんな時間に? 今、授業中だよね?」


「抜け出してきた」


「へ……!?」


あたしは目を見開いて文哉を見た。


文哉はニカッと白い歯をのぞかせて笑う。


「抜け出してきたって……どうして!?」


「彩花、俺の言った事を気にして学校を休んでるんじゃないかって思って」


「文哉が言った事?」


あたしは首を傾げる。


「ほら、お前の彼氏が殺人犯に似てるって……」


あぁ、あれのことか。


「確かに少しは気になったけれど、それで学校を休むなんてしないよ」


あたしはそう返事をしながら笑ってしまった。
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