クジ引き
「じゃぁ、早く元気になって学校に来いよ」


文哉は真っ赤な顔をしてそう言うと、あたしに背中を向けたのだった。


あたしはその背中へ向けて声をかけた。


「あ、あたしなんかより……菜々花の方がいい子だよ!!」


文哉はあたしの言葉に一瞬立ち止まると、軽く手をふってまた歩き出したのだった。
< 92 / 139 >

この作品をシェア

pagetop