ブルームーン
学校帰り俺はいつものカフェに行く
“カランカラン”
「いらっしゃい」
『槙さんいつもの』
「はーい」
俺はカウンター席でコーヒーを飲んでいたが
後ろの席がやけに騒がしい
「静紅ちゃんもう一回、もう一回教えて」
「仕方ないなぁ、y=ax+bっていう公式がね…」
振り返ると静紅が晴香に数学を解説している
その隣で真田はノートを開いたまま寝ている
「詩歩起きて!静紅ちゃんが説明してるっ」
晴香が揺すっても一向に起きる気配がない
「詩歩っケーキおごるから!」
「ホント?」
物凄い勢いで真田は覚醒した
静紅はクスクス笑っている
「おいっ狙ってたんかいっ」
「槙さんチーズケーキ三つ」
「はいはい」
「詩歩なに勝手に頼んでんのよ」
晴香は真田にデコピンをした
「痛っ」
「私自分の分は払うよ」
遠慮する静紅
「いいよ教えてもらってるお礼だから」
この光景を見ていると静紅と目があった