しょうがねーな、まったく。
だけど、私の子育ての仕方にいちいち口を挟んで来るのはやっぱり許せない。

私は私なりに頑張ってるつもりだし、初対面の相手にあそこまで言うなんて失礼にも程がある。



そりゃあね、普通に専業主婦してるお母さんに比べたら、子供と触れ合う時間が短いのはわかってる。

家事だって、ついつい手抜きしがちになってるとは思うよ。

だけど、そうでもしないと仕事をしながらこの子を育てるのは無理だろうし、その分、誰にも負けないくらい十分に愛情を注いでいる。


だから、翼が鉄棒のことを私に話してくれないのは、ちょっとショックだった。

なのに、あんな傷口に塩を塗るような言い方しなくてもいいじゃん。

私だって、もっとこの子と過ごす時間がほしいわよ。

でも、できないものはできないんだから仕方ないでしょ..........


悔しくて、涙が滲んで来る。

だけど、ダメ。

我慢だ、我慢。

一人で育てるって決めたのに、この程度のことで挫けてどうする?


「ママぁ、泣いてるの?」

「え? あぁ、ううん。泣いてないよ。」

「ホント?」

「うん。」

「泣きたかったら泣いてもいいよ。お家帰ったら。」

「お家帰ったら?」

「うん。僕がよしよしってしてあげる。」

「え、翼が慰めてくれるの?」

「そう。だって、ママと僕しかいないから。」

「..........。」
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