しょうがねーな、まったく。
いやいや、あんな金髪ヤンキーにそこまで深読みする術があるはずがない。

気にし過ぎだって。

ちょっと痛い所を突かれたからって。


だけど、困ったな。

翼が良くしてもらってる以上、無視する訳には行かないし、保育園卒園までにはまだ一年半くらいある。

ってことは、あいつがお迎えに来る日には、イヤでも顔を合わすことになるんだよね?


うわ、考えただけで憂鬱。

次に会ったら、何を言われることか。

そう言えば、あの金髪頭、週に何日くらい、お迎えに来てるんだろう?

今までにも会ったことがあったっけ?


「ねぇ、翼、希ちゃんって、いつもだいたいパパが迎えに来るの?」

「違うよ。お婆ちゃんの奥さんと、しゃちょーのお爺ちゃんも来る。」

「何、それ? お婆ちゃんの奥さん?」

「のぞみちゃんが奥さんって呼んでるお婆ちゃん。」

「え?」

「あと、しゃちょーは面白いお爺ちゃん。」

「ふ~ん。そうなんだ。」


ダメだ。全然わかんない。

でも、親だか親戚だか知らないけど、要はお爺ちゃん、お婆ちゃんが助けてくれてる家庭っていうことよね。

いいご身分じゃない。

そんな恵まれた環境で子育てしてる人に、私の苦労なんてわかるはずがない。
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