しょうがねーな、まったく。
「おはよう。」

「おはよう。今日はよろしくお願いします。」

「だいぶ元気になったみたいだな。」

「うん。でも、37.5℃あるし、また上がるかも。」

「じゃ、今日は家の中でゆっくりしてるわ。」

「お願いします。会議が終わったら、早退して来るので。」

「了解。」

「あ、ねぇ、希ちゃんは?」

「先輩の所で遊んでる。」

「先輩?」

「近所に住んででさ、同じ保育園行ってる年長の子がいるんだよ。昨日、たまたま、明日、遊ぼうってLINEが来て、事情を説明したら、預かってるから行って来いって。」

「え、そんな申し訳ない..... 。」

「いいんじゃん? お互い様だよ。」

「でも..... 。」

「無理して一人で全部やっちゃわない方が、子供にとって幸せな場合もあるし。」

「そうかもしれないけど.....。」

「そろそろ時間だろ? 細かいことは気にしないで、とりあえず行って来いよ。」

「あぁ、うん。そうだね。じゃあ、行って来ます。」


社長だけかと思ったら、そんな親切な先輩までいるんだ。

本当に恵まれてるよね。

羨ましい限りだわ。


って言うか、要は上手く周りに頼って、希ちゃんに不自由させないようにしてるのか。

すごいな、あいつ。

私なんかより、親としてよっぽど優秀かも。
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