しょうがねーな、まったく。
「車だとすぐだから。」

「そうなんだ。」

「結構デッカい公園でさ、グランドとか子供が水遊びする池みたいなのとかもあるんだよ。」

「ふ~ん。」

「舗装してある道幅の広い散歩コースみたいなのもあるからさ、もうちょっとしたら希に、そこで自転車の補助輪、外して乗る練習させようかと思って。」

「へぇ。」

「翼はまだやらないの?」

「えっ? あぁ、翼?」


慣れない助手席に微妙に緊張しているせいか、話が全部は入って来ないし、聞かれてもすぐ頭が回らない。

うわ、ヤバい。

早くちゃんと答えないと怒られる~!!


「聞いてんのかよ?」

「き、聞いてます。」

「まぁ、別にいいけどさ。」

「へ?」


あれ? 怒らないの?

変なの。何か調子狂うじゃん。

しかも、何だかニコニコしてるしてるように見えるんだけど。


でも、楽しそうにしてるってことは、嫌われたりしてないよね?

だったら、いいか。

今の一言で、妙な緊張は解れたし。


そうよね。 いつも通りの私でいいんだって。

らしくないことしたり、急に大人しくしたりしたら、気味悪がられるに決まってる。

すましてたって、あいつから見た私のキャラが急にイイ女に変身したりするはずがないんだから、ちょっとくらい抜けてる所があったって、何の影響もないでしょうが。
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