しょうがねーな、まったく。
「淳史~!!、こっち~!!」

「今、行きま~す。」


あそこで叫んでる人が先輩さんで、美麗ちゃんのパパなのかな。

小柄で真っ黒に焼けてて、身軽そう。

いかにも職人さんって感じがする。


「あれがいつも一緒に仕事してる先輩。子供三人と、多分、奥さんも来てるから、仲良くなっといて、わかんないこととかあったら聞くといいよ。」

「うん。」


それは助かる。

三人のママだなんて、頼もしい。

子育てについて聞ける人なんて誰もいないし、知り合いを通してなら、すぐに仲良くなれそうな気がする。


「先輩、こんにちは。」

「よお、そっちが翼のママ?」

「あ、はい。初めまして。」

「美麗のパパで〜す。よろしく。因みに、あっちにいるのがうちのカミさんと下の子。翼と遊んでるのが上の子ね。」

「はい、よろしくお願いします。」

「そんな堅苦しくしないでいいよ。何か緊張してない? ってか、俺、怖い?」

「そ、そんなことないです。大丈夫です。」


やだ。私、そんなに固くなってる?

あ、でも、確かに、さっきから先輩から感じる得体の知れないオーラに圧倒されてるって言うか、勢いに押されてるって言うか..........


「こんなチャラいのと、普段、遊ばないから、ビックリしてるんでしょ。そのくらいわかんないの?」

「わ~、ひで~。そこまで言う。」

「嘘は言ってないつもりだけど。」

「マジ?」
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