しょうがねーな、まったく。
一見、派手な感じのする、このお姉さんが先輩の奥さんなのかな。

って言うか、若くない?

もしかして、私より年下だったりして。

美人だし、ニコニコしていて優しそうだけど、この奥さんからも正体不明の迫力みたいなものを感じる。


「ごめんね。元ヤンだから、頭悪くて。」

「いえ、そんな。」

「敬語使わなくていいよ。もうママ友なんだから。」

「そう? でも.....。」

「私が美麗のママで、京子ね。翼のママは何ちゃん?」

「え、私? 」

「そう。」

「私は『そら』。『青空』って書いて『そら』って読むの。」

「マジ? やだ。カッコイイ!!ママが青空で、息子が翼? すっごいイイ名前だね。」

「そうかな。ありがとう。」


初めて知り合う人種だけど、どうやらすごくイイ人たちみたいだ。

先輩は予想を裏切らない茶髪にピアスだし、京子さんは適度に色気のあるイイ女風のロングヘア。

決して自分からは友達にならないタイプなのに、なぜか安心して話せる。


それにしても、賑やかで楽しい夫婦だな。

一緒にいるだけで、明るい気持ちになって来る。

この夫婦といい、松澤工務店の奥さんといい、みんな根っから優しい人なんだろう。


こんな温かい人たちに囲まれて、子育てできたら幸せだよね。

あいつが今まで頑張って来れたのは、この環境に寄るのが大きいかも。
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