しょうがねーな、まったく。
「パパ〜、こっち来て~!!」

「わかった。今、行く。」

「早く〜!!」


子供たちに呼ばれ、あいつと先輩がちびっ子の輪の中に合流する。

休日の公園らしい微笑ましい光景だ。


みんなで普通に遊んでるように見えて、ブランコがなかなか上手くできない翼を、あいつが気使ってるのがわかる。

希ちゃんもいるのに、まったくどこまで優ししいんだか。

あれじゃ、パパがほしいって言われちゃっても仕方ないのかな。


「親子にしか見えないね。翼と敦史くん。」

「え? あぁ、そう?」

「うん。もうバッチリじゃん。」

「パパがほしいって、最近、急に言い出して困ってたから、ああいう風に遊んでくれると助かるんだ。」

「マジ? ホントに!?」


あれ? 私、何か変なこと言っちゃったかな?

なんでそんなに目を輝かせて嬉しそうにしてるの、京子さん?

何か怖い。

これから何が始まるの?


「ねぇ、ねぇ、青空ちゃんっていくつ?」

「今、29。もうすぐ三十路だよ。」

「嘘ぉ、私と同い年じゃん!!」

「そうなの?」

「なら、丁度良い。敦史くんって、意外と姉さん女房が良いんじゃないかと、前から思ってたんだよね。」

「へっ!?」


な、な、な、何言ってんの!? 京子さん!?

変な冗談言わないでよ。

どこからそんな話が出て来たの!?
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