しょうがねーな、まったく。
遊具で遊んだり、走り回ったり、子供たちは夕方まで思い切り動き続けて満足そうだ。

翼には兄弟もいないし、今までこんな風に家族ぐるみで付き合ってくれる仲の良いお友達もいなかった。

その上、パパになってほしいって言うくらい大好きな人が一緒に遊んでくれるんだもんね。

こんなに楽しそうにしてるのは、初めてかもしれない。


「随分、盛り上がってたじゃん。京子さんと仲良くなれたみたいで良かった。」

「うん。京子さん、イイ人だし、同い年だから。」

「えっ? マジ? 俺より年上だったんだ。」

「そうだよ。私は何となく気付いてたけど。」

「俺、タメくらいだと思ってた。」

「そう? 若く見えた?」

「つうかさ、いろいろ手がかかるから、年上っていう気がしねぇんだよな。」

「なっ、失礼な!!」

「だって、そうだろ。」

「え? いや、そ、そうかもしれないけど.....。」


まるでイタズラが成功した子供みたいな笑顔を向けられると、何を言われても憎めない。

得意気にニヤニヤしている様子さえも、何だか可愛いって思えて来ちゃう。


社会人になってから結構ヘビーな人生を送って来たはずなのに、普段、こいつはそんな素振りを微塵も見せない。

突っけんどんでぶっきらぼうだし、口も悪いけど、やることなすこと優しいから、最終的にはいつもキュンとさせられちゃってるし。
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