囚われ姫と金と銀の王子

あなたに抱かれたくない、か・・・。

私に抱かれるのが、死ぬ事よりも苦痛なのか。



無理矢理抱く事で、ソフィアには耐えがたい苦痛を与える事が出来る。

苦痛を与える事が目的で、それが分かっただけでもいいと思わなければいけないはずなのに。


何故かソフィアの言葉は、私の心を酷く抉った。

どうしてそんな思いになったのかは、分からない。

ただただ傷付いている自分が、そこにはいた。




今まで何事に対しても拒まれる事も逆らう人間もいなかったのに、たった一人、ソフィアだけは私を拒み続ける。



そうか。

そこまで私の事が嫌いなのか。



・・・ならば。


「では、お前が私を好きになれば問題はない、という事だな」


「・・・え?」



「いいだろう。お前が私の事を好きになるようにしてやる。お前が私なしではいられないほどに惚れされてやろう。・・・覚悟しておけ」



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