囚われ姫と金と銀の王子
それから贈り物をするのに加え、夜はソフィアの部屋に向かうようになる。
食事の時間でしか顔を合わせない。
そしてその場でも話す事はほとんどない。
もう我慢の限界だった。
だが、最初の何日かはその扉が開けられることはなかった。
最後の方は私の声にも反応がなく、廊下には私の声だけが響くだけになる。
そのソフィアの行為は、より私の想いを膨らませていく結果になった。
どうして会ってくれない!?
会いたいんだ、どうしても話がしたいんだ!
その欲望はどんどんと大きくなり、ある日の夜、私は決意を胸に自室を後にする。
手にはソフィアの部屋の鍵。
それを強く握って、私はソフィアの部屋を目指す。
今日こそは何が何でもその扉を開ける。
そしてソフィアと話をするんだ・・・!
部屋の前に立ち、大きく深呼吸をする。
扉を叩こうとする手が少し震えていた。
それをグッと力を入れ無理矢理止めると、私はソフィアの扉を叩いた。