囚われ姫と金と銀の王子
ではその幸せは誰がもたらす?

それは私の知らない誰か、か?

私の元を離れれば、ソフィアは幸せになれる?


それを考えた瞬間に、心の中がざわつき始める。


・・・いや、私以外の人間がソフィアを幸せにするなど、許されるはずはない。

こんな魅力を持った女なんて、そうそう私の前に現れるはずもないだろう。


手放してなるものか。


私の横で幸せになればいい。

私の横で笑っていればいい。



・・・そうか。


そうなのか、この気持ちは。


ソフィアのちょっとした表情に心が高鳴るのも、ソフィアの言葉ひとつに胸が痛むのも、ソフィアが欲しいとそう思うのも。





それはつまり・・・。


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