囚われ姫と金と銀の王子
4、それぞれの思惑
対、ナザリア
殿下に正妃にすると宣言された次の日、今まで贈られたことのない花束が贈られてきた。
それは幾重にも花びらを重ねた、オレンジ色と赤色の美しい花。
とても可憐な花である。
そしてその花束と共に、ある本も一緒に贈られたのだった。
殿下の突然の変化に、私は戸惑いを隠せない。
「これはラナンキュラスですね。けれどどうしたのでしょう、いきなり。今までこんな華やかなお花を贈る事はなかったのに」
「・・・そうよね。一体どうしちゃったのかしら。そしてこの本・・・」
そう言ってやたらと厚い本をナディに見せる。
ナディはその本を見ると、ハッとした表情を浮かべた。
「それ、花言葉の書かれた本ではないですか?・・・もしかして。申し訳ありません、貸して貰えますか?」
ナディは私が持っていた本を手に取ると、ペラペラとめくる。
そしてあるページでめくるのを止めると、瞳を左右に動かしそして、妙に納得したように大きく頷いた。
「・・・ああ、そういう事ですか。今まで贈られていた花にもちゃんと意味があったのですね」
「どういう事?」
「ここをご覧ください」
そのページは今まで贈られてきたクローバーとシロツメクサのページ。
そこには、こう書かれている。
『クローバーの花言葉 私のものになって』
『シロツメクサの花言葉 私を想って』
それは幾重にも花びらを重ねた、オレンジ色と赤色の美しい花。
とても可憐な花である。
そしてその花束と共に、ある本も一緒に贈られたのだった。
殿下の突然の変化に、私は戸惑いを隠せない。
「これはラナンキュラスですね。けれどどうしたのでしょう、いきなり。今までこんな華やかなお花を贈る事はなかったのに」
「・・・そうよね。一体どうしちゃったのかしら。そしてこの本・・・」
そう言ってやたらと厚い本をナディに見せる。
ナディはその本を見ると、ハッとした表情を浮かべた。
「それ、花言葉の書かれた本ではないですか?・・・もしかして。申し訳ありません、貸して貰えますか?」
ナディは私が持っていた本を手に取ると、ペラペラとめくる。
そしてあるページでめくるのを止めると、瞳を左右に動かしそして、妙に納得したように大きく頷いた。
「・・・ああ、そういう事ですか。今まで贈られていた花にもちゃんと意味があったのですね」
「どういう事?」
「ここをご覧ください」
そのページは今まで贈られてきたクローバーとシロツメクサのページ。
そこには、こう書かれている。
『クローバーの花言葉 私のものになって』
『シロツメクサの花言葉 私を想って』