囚われ姫と金と銀の王子

「・・・な・・・!!」

「穏やかではありませんね、ナザリア様。貴女の声はしっかりと、城内を見張る者達に丸聞こえでしたよ?少し落ち着いた方がよろしいかと思われます」


「は、離して!!離しなさい!!私を誰だと思っているの!?」


「・・・ナザリア様、残念ですがもうこれは決定事項なのです。潔く諦め、ご自身の次なる未来をお考えになった方が賢明だ」

「やめて!離して!!私は!私は・・・!!」

「連れて行け」


騎士の一人が冷たく言い放つと、抵抗するナザリアを二人がかりで引きずるようにして、どこかへと連れて行く。


その光景を横目で見つつ、私は未だしゃがむナディを介抱しながら、その場に残っていた騎士の一人に声を掛けた。



「ごめんなさい、荒立ててしまって。でも、助かったわ」

「いえ、むしろ遅くなってしまい申し訳ありません。ソフィア様にお怪我は」

「私は何もないわ。ただナディが・・・。お医者様を呼んでくれるかしら?」

「はっ。かしこまりました」


騎士が小走りで下の階へと消えていく。


辺りは静けさが戻った。

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