囚われ姫と金と銀の王子
「で?妻達が下賜されるのはいつなの?」

「・・・早くて一か月といったところか。行き先が決まるまではこの城で今まで通りの生活をしてもらう」

「そう。じゃあそれまでに他の妻達にちゃんと納得させるように話をして。じゃないと何も変わらないわよ」


「ええ!?今更か!?」


「自分の落とし前くらいちゃんとつけなさいよ!アンタが蒔いた種でしょう!?そのくらいはやりなさい!」


つい大きな声を出してしまい、寝ていたナディがしかめた表情を浮かべる。

それに気付いた私は、慌てて声のトーンを落とした。


「・・・と、とにかくね、話はそこからよ。しっかりとけじめをつけて貰わなきゃ先になんか進めないわ」

「わかった・・・。ちゃんと話をつければ、ソフィアは私の本当の妻になってくれると言うんだな?」

「それに関して、私に拒否権はないのでしょう?」



私の国はもうないのだから、私ひとりが嫌だと言ってもそれが通るはずはない。

殿下が私を正妃にすると決めたなら、それに従うほかない訳で。


何を今更、と私は思ってしまう。


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