囚われ姫と金と銀の王子
一週間後、処刑か・・・。
あれだけ激しく鳴っていた心臓も、宣告されてからは嘘みたいに穏やかになっていた。
不思議とホッとしている自分が、そこにいた。
きっと、ようやく死ねる、ようやくこんな生活から逃れられる、そういう思いなんだろう。
そりゃあ、ね。
人の前で死ぬのは本当は嫌だけれど。
この長い生活から考えたら、それは一瞬だし。
死んでから私がどう言われようと、もう知った事ではない。
愚女でも何でも好きなように言ったらいい。
死んでしまったら私には何も関係のない事だから。
私はまたベッドの上に座り、ぼおっと前を見つめていた。
早くその日が来ないかと、そう思いながら。