囚われ姫と金と銀の王子
多分犯人は、あの二人のどちらかだと思う。
どうやってこの汚物を、毎日のように調達しているのか分からないけれど、きっと彼女達には協力者がいるのだろう。
侍従や侍女の中には、私をまだ快く思っていない者もいるはず。
ましてや彼女達の侍女であれば、私の事は余計に悪者として聞かされているだろうし、ご主人様の命令は絶対だから断る事も出来ない。
自身の鬱憤をこの箱に込めて、毎日私の所へ持ってきているのだろう。
まあでも、この程度の嫌がらせならまだいい方。
捨てればいいだけの話だし、特に命に関わる事でもない。
・・・気分だけは非常によろしくないけれど。
「ソフィア様、捨ててまいりましたわ。捨てに行く途中マリリン様に会って、物凄く睨まれましたけど」
「ありがとう、ナディ。何か言われなかった?」
「いえ、特には。ただ私とすれ違ってもずっとこちらを見て睨んでおりまして、その視線が非常に痛くて小走りで逃げ帰ってきました」
「ごめんなさい、ナディ。足も治ったばかりだというのに走らせてしまって」
「怪我ならもう大丈夫です!なんてことありませんから!!」
胸元を拳でどん、と叩きながらナディは私を安心させるように話す。
ナディも早々それ程度で怯むような人ではないと思っているので、そこは心配はしていないけれど・・・。