囚われ姫と金と銀の王子
「・・・では、殿下。お話ししたいというのは、最近私の部屋の前に、丁寧に包装紙で包まれた箱が置かれているのです。あり得ないとは思いますけれど、一応聞きますわね、それを置いているのは殿下ではありませんよね?」
開口一番、私は殿下にそう聞いた。
その問いに、殿下の表情がみるみると変化していく。
「・・・は!?なんだそれは・・・!!ま、まさか私の他にもソフィアに心を寄せる者がいて、私に隠れてソフィアに贈り物を・・・!?誰だそんな許せん行為をする奴は・・・!!」
「殿下ではないのですね。分かりました。・・・後ですね、私に心を寄せている方が、その箱の中に家畜の汚物など入れないと思いますけど?」
「当たり前だろう!そんな家畜の汚物を贈るよりももっと美し・・・、ん・・・?お、ぶつ?」
「そうです。汚物です。贈られてくるのですよ、毎日。・・・分かりますよね、私の言っている意味が」
殿下はようやく理解したようだった。
荒ぶっていた感情が冷静になったのか、殿下は困惑した表情を浮かべる。
「・・・それは。・・・いや、そういう事か。まだ解決はしていなかったという事だよな」
「まあ、分かり切っていた事ですけどね?解決したと思っていたのは殿下だけですよ?」
「いやだってあの時、彼女達はみな納得して、『殿下の幸せの為ならば』と・・・・」
「でも現にこうやって色々と起こっている訳ですしね。それが本心ではなかったと言う事ですわ、殿下」