囚われ姫と金と銀の王子
―――翌日。
その日の朝も同じように箱が部屋の前に置かれていた。
しかし、今日は少し事情が違っていた。
箱の内側から血のような液体が滲み出ている。
それを見て、ナディは顔を青くしていた。
「・・・これは・・・」
「大体予想はつくけれど、開けてみましょう。・・・ナディ、この箱を開けても決して声を荒げないでね」
ナディは頷き、ごくりと息を飲みながら箱に目を落とす。
そして、恐る恐るその箱を開けると・・・。
「・・・・ひっ・・・!!!」
その中のものを見て、ナディは思わず目を逸らした。
私はやはりと顔を顰める。
中のものは、小動物の死骸。
しかもそれは無残にも乱雑に切り刻まれていて、一体何の動物であったかわからない。
辛うじて小動物であったという事だけが分かった。
今までは命に関わるような恐怖を覚える嫌がらせではなかった。
だから大事にならないようにしてきたけれど、でも、この残忍な行為は・・・。