囚われ姫と金と銀の王子
その次の日も、殿下はやってきた。

相変わらずの不機嫌顔で鉄格子を挟んで、私の目の前に立っている。


正直疲れていた。

その日も同じように私に聞くんだもの。


「今日こそは寝られなかっただろう?」

って。



・・・だからさぁ。


私、もう覚悟決めている訳。

むしろその日が決まってスッキリ爽快(とまではいかないけど)、ある意味開き直っちゃってんのよ。

死にたくない!殺されたくない!なんて、泣きわめいて乱れる訳ないじゃない。


仮にも私は国の王女として生まれて。

国王がバカなばっかりに、常にその事を考えて生きてきたのよ。



もしかしたら・・・って。


そのもしかしたらが、今現実になったってだけで。


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