囚われ姫と金と銀の王子
「そんな事、出来る訳がないだろう?私はソフィアを手離すつもりなんてない」

「そう、ですか。私を正妃にしても、お互い辛いだけだと思いますが」

「・・・何を言いたい?ソフィア」

「私はこれからも殿下を好きになる事はない、と言いたいのです」


言わなくていい事を、思わず口に出してしまった。

目の前の殿下はその言葉に目を細め、眉間に皺を寄せたまま悲しい表情を見せる。


その顔に、つん、と胸の奥が苦しくなった。


口に運ぼうとしていたフォークを、私は静かに皿へと戻す。

元から味のしなかった料理が、もう口に運ぶ事すら出来なくなってしまった。


「そう・・・か。では、ソフィアとの関係は私がどんなに望んでも、これ以上進展をする事はないんだな」

「・・・・・」


「分かった、ソフィア。君の気持ちはよく分かったよ」

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