囚われ姫と金と銀の王子
エリスは私に目を向けると、優しい口調でこう話した。

「ソフィア王女、これから大変かとは思いますが、どうか殿下を支えてやって下さいませ。殿下はこの国にはなくてはならない大事なお方ですから。この国の発展の為にも、どうか」

「・・・はい」


私もまた素直にその言葉を受け取る事が出来ずにいた。

エリスのただならぬオーラに、少し身構えてしまう。



そんな私達をエリスはじっと見つめて、そしてほう、とため息を零す。


「ああ・・・でも、こう見るとお似合いのお二人ですわね。・・・・愚国の王女に、そんな下らない王女を正妃にしようとする、愚国の王子。まさにお似合いのお二人」



エリスの声がいきなり低くなり、呻くようにそう話す。

そして自身の胸元に手を入れ、すっと何かを引き出した。



それがギラリと一瞬光ったのを、私は見逃さなかった。

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