囚われ姫と金と銀の王子
「エリスっ・・・!わた・・・私はっ・・・!!」

「泣かないで下さい、殿下。涙を拭いて。殿下はこのような所で膝を付き、謝るような身分の肩ではございません。背筋を伸ばし、堂々として下さいまし。もうそのようなお姿を、他の人間に見せてはいけませんよ?」

「・・・エリス・・・」

泣きながらも、エリスは穏やかな表情になっていた。


私は死ぬまで、この笑みを忘れる事はないだろう。


その笑みを思い出すたび、自分の犯した罪の深さに心を痛め、そのたびに悔やむのだと思う。


私がこれからしなくてはならない事は、一生ソフィアを愛し続ける事。


エリスの言葉とこの笑顔を無駄にしない為にも、私はソフィアを幸せにしてやらなくてはならない。



「分かった、エリス。君との約束は必ず守る。その笑顔を無駄にしない」



エリスはさらに笑みを零して、そして大きく頷いた。


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